「ぼうず何食べるか。」

 2人がいつも僕にかけてくれていた言葉です。母親は何に追われるという事もないのでカナリヤなどを飼ったりして過ごしていたように思います。こんな生活を語ると気恥ずかしいし、中国の方にも悪いような気がするんですが、当時の日本人の生活の有り様もよくわかると思うのでお話しさせてもらいます。

 僕はよく「ギョウザ」「マントウ」「ヤンローコーズ」「ターピン」「ショウピン」などと答えていました。この2人はすばらしい腕前で、僕が食べたいと言うものをびっくりする程の手際の良さで作って食べさせてくれていました。今みたいに素材が下準備されてスーパーで売られているような時代じゃありませんから、そりゃあ粉から練り上げて作る本格的な中国料理だったんです。今思うととても贅沢な子供だったなぁ。でもこれが僕の食の原点になっているんだと思いますよ。

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